より速く、より使いやすく。下り最大440Mbpsに進化したWiMAX 2+の魅力を解剖(前篇)

UQコミュニケーションズの高速データ通信サービス「WiMAX」。ついに業界最高速の下り最大440Mbps対応のモバイルルータが登場。2017年2月1日以降順次、440Mbps対応エリアを、全国(一部地域を除く)に拡大する予定も発表され、一段とパワーアップしています。最新の製品とサービスを使うことで、お客様にはどのような新しい世界が開けていくのでしょうか。UQコミュニケーションズ 執行役員で技術部門長の要海敏和に話を聞きました。


UQコミュニケーションズ 執行役員 技術部門長 要海敏和

データ通信を格段に快適にご利用いただけるように

――2016年12月に発売した新製品の「Speed Wi-Fi NEXT WX03」(以下、WX03)では、下り最大440Mbpsという超高速のデータ通信を実現しましたね。

要海:はい。現時点では業界最高速のデータ通信速度を実現しました。これはUQコミュニケーションズ(以下、UQ)がこれまで開発してきた技術の1つの集大成とも言えるものです。これまでのWiMAX 2+は220Mbpsが最高速でしたから、2倍の通信速度を得られることになりました。

最高速度が速くなると、どんなメリットがあるのだろう? と考える人もいらっしゃるでしょう。お客様の視点で見た場合、通信速度が倍になると、通信の所要時間が半分になるわけです。大容量のデータをダウンロードするようなときには、その違いは大きく感じられるでしょう。UQでは、お客様が「何時でも何処からでも、快適にインターネットが楽しめる環境を提供する」ことを目標としています。高速化により、一段と快適なデータ通信が可能になると考えています。

一方、今回の機能拡充は私たち通信事業者から見ると、同じ周波数帯域のままで、2倍のデータ通信速度の提供が可能になり、電波の利用効率が倍増したことを意味します。お客様には、より高速で快適に、より多くのデータをご利用いただく事ができ、これまでと同じ無線設備を用いて実現できるのであれば、通信コストが下がるとも見ることができます。
実際のコストはそんな単純には計算できるものではありませんが、新たな技術を導入して機能を拡充する事は、快適で、より良いサービスを、料金を据え置きでもご利用いただける事につながっていると考えています。

――WiMAXはこれまでどのように進化してきたのでしょうか。

要海:UQはWiMAXサービスを2009年に始めました。当時の携帯電話で主流だった3Gに比べて高速なデータ通信を思う存分に使っていただけるサービスとして提供を開始しました。当初のWiMAX(シングル)は下り最大40Mbpsで、当時としては非常に高速なサービスでした。
また、今では一般的となったモバイルルーターも、当時の市場には無く、この時にラインナップに加えました。最初のモデルは固定設置するタイプで、USBドングルを脱着できるスタイルにしましたが、次の製品からはモバイルルーターの体裁を整えて製品化しました。
WX03はモバイルルーターの形状としては完成形に近づきつつある状況と感じますが、こうして振り返ると、WX03に至るルーター製品の進化にも著しいものがあるように感じます。


サービス開始当初のモデル(UG01OK)と、現在のモデル(WX03)

技術部門長として、少し技術の話をさせて頂きますと、WiMAXではMIMOという無線技術を活用しています。MIMOはMultiple Input Multiple Outputの略で、複数のアンテナそれぞれで同じ周波数に異なるデータを乗せて同時に送受信を行う技術です。WiMAXでは、サービス当初から2×2 MIMOすなわち、送受信にそれぞれ2本のアンテナを使う方式を採用しました。MIMO技術を移動体通信で商用サービス化して提供したのは、日本ではUQが初めてでした。世界にも前例はなく、WiMAXサービスの提供を開始した通信事業者はいましたが、MIMO技術は未だ導入されていませんでした。UQでは2×2 MIMOの技術を確立するために多くの努力をしてきました。

その後、2013年10月には、新しく割り当てを受けた20MHzの周波数帯域を利用してWiMAX 2+の提供を開始しました。下り最大110Mbpsの高速データ通信サービスです。この時点では、4×2 MIMOを採用しています。当初から基地局側には4本のアンテナを準備しましたが、製品側は、4本のアンテナを使った4×4 MIMO技術を利用できる通信チップがなく、すぐには4x4MIMO技術を搭載することができませんでした。

2015年3月に、WiMAX 2+は下り最大220Mbpsへと高速化を果たしましたが、このときは製品によって異なる2つの技術を採用しました。一つ目は、製品に搭載する通信チップベンダーとの協業により4本のアンテナを扱うことができる新チップの開発を進め、4×4 MIMO技術を実現。もう1つは、これまでWiMAX(シングル)に利用してきた一部の帯域をWiMAX 2+に割り当て、20MHzキャリアを2本束ねて周波数帯域を40MHzにするキャリアアグリゲーション技術を採用することで実現しました。
この時点では、それぞれの技術に対応した各製品で、通信速度を220Mbpsに拡張いたしました。

ようやくチップが完成、440Mbpsのサービスを提供へ

――そして、今回440Mbpsのサービスが実現することになりました。

要海:2016年12月に4×4 MIMOとキャリアアグリゲーションの双方の技術に対応したWX03の発売を果たすことができました。2×2 MIMOで20MHz帯域を使っていた110Mbpsに比べて、4×4 MIMOで2倍、キャリアアグリゲーションによる40MHz帯域の利用で2倍、合わせて4倍の440Mbpsサービスが実現できたのです。


(4x4MIMO+CA)

少し裏話をすると、この時期に440Mbpsのサービスを開始することができたのは、ようやく4×4 MIMOとキャリアアグリゲーションの両方に対応した製品に搭載する通信チップが利用可能になったことによります。名刺ほどの大きさの製品で440Mbpsという高速なサービスを実現するには、通信チップ内では膨大な符号処理が行われます。内蔵するアンプやプロセッサの発熱や、消費電力などの技術的な課題に留まらず、チップの価格など経済的な課題の解決も必要です。商用化を可能とする環境がようやく整ってきたのが、現在のタイミングだったのです。

WiMAXサービスとして見ると、シングル時代のWiMAX展開をステージ1とすると、これに次いでステージ2がWiMAX 2+の導入、そしてその集大成が440Mbpsへの対応だと考えています。UQでは、WiMAX 2+の当初から4x4MIMO+CA=440Mbpsを想定した準備をしていました。基地局などの設備もWiMAX 2+の初期段階から4×4 MIMO+CA対応が可能な設備を導入していたのです。

私の自宅はUQ基地局から300m程の距離にあるのですが、220Mbpsサービスの段階で、自宅内でも100Mbps超のスピードが得られていました。これはもう光ファイバーを使った固定回線のサービスと同等かそれを以上の数値だと思われ、440Mbpsでは更に快適さが増すと思います。このようにストレスフリーのデータ通信環境を、UQがWiMAXでお客様に提供できることを本当に嬉しく思います。

(後篇へつづく

文:岩元直久
写真:サコカメラ

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